血統書について

今日の話は長文で、ちょっと堅い内容です。某板の雑談スレで話題になっていた、折れ耳スコの血統書の件についての考察です。猫飼いの皆さん、ひいてはペットを飼っている全ての皆さんに、決して見逃して欲しくない、大切な話だと思います。



先代の猫がなくなり、次の猫を家に迎えるに当たって、ダーリンと色々話し合った結果、ショップで短毛種の雄を買うことにしました。
◎純血種のほうがある程度猫の体格や性格が予測できる(マンション飼いなので家を傷めたり騒ぐ子だったりしたら困ってしまう)
◎ショップを厳選すれば購入する個体の状態はある程度信頼できる(市内のショップ全てを長期にわたって観察し1軒に決めました)
◎ブリーダーに関しては知識が全くなく直接買うのはむしろ不安(悪い噂の方が多く耳に入るし通販は絶対イヤでした)
 本当なら、捨てられたりで行き場のない子猫の里親になった方がいいのでしょうが、これらの理由で今回はこの方法を選びました。諸説あるでしょうが、現時点ではベストの判断だったと思います。実際二代目のアビぼうずとの出会いに恵まれ、予定通り完全室内飼いにして予防注射も去勢手術もし、私たちはとても幸せに暮らしています。

 この2代目ぼうずは血統書付です。店頭に居た時は、「両親共にチャンピオンです」とのポップが付いていました。私たちはこの子を、血統書が付いていたから買ったのではありません。むしろ、親がチャンピオンで血統書があるということは、もしかしたら、資質や形質を重んじるあまりに近親交配を重ねた血の濃い個体だったりして、の不安の方が大きかったです。
 でもこの点は、何度も足を運んで感じていたショップの雰囲気から、そんな悪徳なものは扱わないであろうと判断し、購入に至りました。後日郵送されてきた血統書を見て、当然ですが、3代前までさかのぼった中に重複した名前は見当たらず、安心しました。
 そうそう、こやつには同腹の妹が1人いるようです。どこでどうしているんでしょうか、元気で幸せにしていてくれたらいいな、心からそう思います

 で今回初めて知ったんですけど、この血統書なんですが、購入した後で申請しないと発行されない物なんですね。それって少しおかしくないです? これから買おうとしているものが、仮にも命のあるものなんだから、そのルーツに関しては一緒に付けておいて然るべきなんじゃないかと思うんですけど。
 それに、うちは初めから去勢して飼うつもりではありましたけど、万一繁殖を考えて購入する場合、買ってみて血統書が届いて、初めて同じ血が入った子だとわかったじゃ、遅いんじゃないでしょうか。その時は取り替えます、という方法もあるかもしれませんが、工業製品じゃないんだからそれはおかしいでしょう。

 そして今回話題になった、折れ耳スコのHちゃんの場合、購入したショップで「お婿さんにどうですか?」と折れ耳スコを進められたというのです。折れ耳の遺伝子は確か劣勢で、スコティッシュフォールドはかなり無理をして固定された種のはず。交配のときも、よくない遺伝病を避けるために、必ず折れ耳には立ち耳をかけると聞いたことがあります。当然その結果、折れで生まれる頭数は少なくなるでしょうが、健康な子でなければ意味がないですよね。

 はたしてこのHちゃんの飼い主さん、そのくらいの知識は当然お持ちで、さすがの不安に駆られ血統書を見てみたところ、同じ血が何度か入っていたそうです。加えて病院に健康診断で連れて行ったところ、残念なことにかなり重い不具合が見つかってしまったそうです。とても可愛い子なんですけど、子を持つなんてもってのほか、あまり長くは生きられない、そういうことのようです。飼い主さんの気持ちを思うと、もう何ていっていいのか、悲しいやら腹が立つやら切ないやらで…。

 この件とは全く別の話ですが、ある純血種の犬のブリーダーさんを知っています。近親で掛け合わせると、遺伝病などでおかしい子が出る可能性もあるけど、その一方で物凄く可愛い子が出る可能性もある。だから娘に父親をかけたりして、眼の周りの皮膚にちょっと白いところがある、みたいな色素の欠落のようなものが出た子は、他にも遺伝病を持っている危険性が高い、つまり商品価値がないので、生きたまま穴に埋める、なんてことをぬけぬけと当たり前のように言っていました。直接本人からではないですが、この話を聞いたとき、全身の毛が逆立つほどの怒りが込み上げてきたことを、昨日のことのように覚えています。今でも思い出すたび、怒りに体が震えます。

 どうしたらこういうことをなくすことが出来るんでしょうね。純血種の犬猫など買わないことにすればいいんでしょうか、そうではないでしょう。商売しか頭にない人たちにとって、倫理観なんて紙くずなんでしょうね。死んだら地獄に落ちるよ、犬猫が化けて出るよなんて言ったところで、そんなこと気にする人なら最初からブリーディングなんて手がけていないでしょうし。

 だったらやはりここは、ある程度法で規制する必要があると思います。販売する時点で、本式なものでなくても血統書をつけないと売れないことにするとか、ブリーディングを商売にすることを許可制か免許制にするとか。その上で近親の交配を出来る人をごく限られた人たち、高い知識を持つ人たちだけに限定させるとか。ペット産業が、これだけの大きな金額が動く市場になってしまった以上、もう個人の倫理観にのみ頼って野放しにしていていい時代ではないと思います。

 こんなところで私が喋っていても、何にもならないかもしれません。でもこの現実を、少しでも多くの人に知ってもらいたいと思って、今回の記事にしました。ちょっと記事の内容とは違いますが、須崎先生のココログの最新記事にも、トラックバックを張らせていただきます。先生、申し訳ありません。

※今回の記事の元になっている該当スレッド「ペットうp板」は、「うp」でぐぐれば4番目くらいに出てきます。この掲示板は、この手の話を議論する場ではないので、万一書き込みなどしようと思われる場合は、十分前後の書き込みを熟読した上で、しっかり流れを読んでからにしてください。くれぐれも荒らさないように、大人の対応をお願いいたします。
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Commented by at 2005-11-22 11:32 x
一元的に利潤ばかりを追求しても、その先には破綻が待っているのに…。同じような話を、たくさん見聞きします。前にも書きましたが、今は楽しいだけの気分でショップの子を見る事ができません。法の規制は、ぜひぜひ厳しくして欲しいものです。
これだけのペットブームなのに、文化がまだ低いのでしょうね。文化は私達が育てるものだから、こうしてcueさんのように声をあげていくのは、とても意味のある事だと思います。法規制はいつも後手ごて、私も含め皆、もっと怒ったらいいんですよ。
こういうお話に触れると、色んな思いが渦巻きます…。

Commented by cue at 2005-11-23 03:04 x
前から考えていたことでしたが、いい機会だと思ってまとめてみました。こういう、いわばゆとり部分の法整備が遅れていたり、モラルが低かったりするところを見ると、やっぱり日本は貧しい国なんだナァと思います。文化的に。

by recipeback | 2005-11-21 06:00 | ペット | Comments(2)

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